2011/2/12 溜まってます。 | 好雪録

2011/2/12 溜まってます。

さきほど横浜で見た〈江口〉の批評を上網しました。
今日に限って筆記用具を忘れてしまったため、忘れないうちにと思って先に文章にしたものです。
これまでの、文楽やミシマダブルを含め、だいぶん批評の書きかけが溜まっています。大学の年度末用務が立て続けなもので、執筆だけにはどうしても専念できません。ひと段落ついたら一気に仕上げたいと思っています。

15年ほど使い通した電話機兼ファクシミリがとうとうダメになったので、昨日、新品に入れ換えました。今までは旧態然たるロール感熱紙で何かと不便でしたが、やっと普通紙ファックスとなり、プリンターも含めて性能があまりにも向上しているので驚きました。

私は携帯電話を所持しません。
機器全般に疎いのです。昨日もこうしたことに知悉する若い人にすべて任せ、手配してもらいました。
ですから、一度故障すると、もう一人ではお手上げであります。

考えてみれば、私が卒業論文や修士論文を書いた頃は手書きでした。
1986年12月、歌右衛門が最後に〈九段目〉を勤めた国立劇場へ卒論の草稿を持ち込み、戸無瀬の出番がない時にはロビーで書き継いでいたのがつい昨日のことのようです。
それが、ワープロの普及で一変。手書きの煩雑を逃れて、文章添削が一転精緻になった半面、漢字の習熟度が落ちました。

国立能楽堂パンフレットの解説を執筆し始めた頃、ゲラは郵送してもらい、それに朱を入れてはコンビニに走って送信していたものが、自宅にファックスを導入して楽になる。今またそれに飽き足らず新機器に満足する一方、ワープロから進化してパソコンなしでは文業そのものが成り立たない時代。
今後、私たちはどこまでゆくのでしょう?

せめて、色々な意味で、携帯電話だけは終生持つことなく済ませたいと思っています。

2011年2月12日 | 記事URL

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