2012/1/11 文化庁芸術祭賞発表 | 好雪録

2012/1/11 文化庁芸術祭賞発表

平成23年度(第66回)文化庁芸術祭賞が本日発表された。
関東・演劇部門の大賞は、藤田六郎兵衛の主宰する「第4回・萬歳樂座」で、観世清和の舞った〈道成寺〉である。

例年、審査期間になると、ありとあらゆる種類の「演劇」を目にすることになる。
宝塚から東宝ミュージカル、本格的なストレートプレイ、歌舞伎や能、ごく実験的な小劇団演劇まで、それこそ種々雑多。
でも、実はこうしたことに意味があると、私はいつも感心している。

人間の評価とは千差万別で、ふだん能・狂言を見馴れた者もあり、まずそうしたジャンルに足を運ばない人もいる。
だがやはり、ある種の「達成」を成し遂げている舞台、それはスタッフがキチンとしていて、舞台上にも緊張感の具わっているものである。
そうした舞台は、まず大抵の人に、その真価がストレート伝わる。
人の評価は千差万別のようでいて、また、存外共通な性格もあるのだ。

閉じられた観客に支えられがちなのは能・狂言の宿命。それはある面では致し方ない。

古典藝能に本当に接するには、細かな部分を見逃さず、自分なりの演劇史を綴りながら、舞台に向かうことが肝要。
同時に、他ジャンルの舞台にも数多く接し、自在な「離見」を身につけたほうが良いと、私は思う。

2012年1月11日 | 記事URL

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