2012/1/19 涙のツボ | 好雪録

2012/1/19 涙のツボ

私はこう見えても、実に涙もろい性分。

本日は昼の〈ラ・カージュ〉、夜の〈ラ・ボエーム〉、どちらも「涙のツボ」がある演目なので、暗い客席でしきりにハンカチを使う始末。
お近くの方でお目に留まったら、武士の情け、どうぞお目こぼし願いたい。

と、申しても、「名舞台に感動のあまり落涙」と思われては困る。
作品の、ことに音楽の効果でこうした仕儀に到るのであって、舞台の出来不出来とはほぼ関係ない。
お人には見せられないほど水浸しになりながら、「あー、なんて下手クソな歌手だろう(怒)」なんて内心では思っていることもしばしばである。
本日も、〈ラ・カージュ〉の大市村はむろん立派な藝でさらに重ねて見たいほどだったが、〈ラ・ボエーム〉はまことに低体温の凡演、ちょっとガッカリである。

ちなみに、「本領」である能を見ていて落涙することは、まず、ない。
能はそんなヤワな舞台藝術ではないことに加え、見ている私にそんな心の隙がないためであろう。
それでも、本当の例外として、能を見ていてわれ知らず涙が流れたことが、これまでに4度ある。
それについては......

またお話しする日もあるかもしれません(笑)。

2012年1月19日 | 記事URL

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