2012/1/3 下阪します。 | 好雪録

2012/1/3 下阪します。

今日はこれから大阪に下り、大槻能楽堂の新春能。明日は道頓堀・松竹座の芝居を見て参ります。

大槻の企画はここ数年なかなかの充実で、結果として決まって初能はここになっている。

松竹座では、昨夜のNHKで初日録画が放映されていた昼の部〈積戀雪關扉〉が目当て。
40余年ぶりだとやら山城屋の小町・墨染もしかり、ニンが一流の成田屋の關兵衞も楽しみだが、後者は前回に見た記憶が新しいのに実は21年も前、平成3年1月の国立劇場だったとは、計算してびっくり。
その時は、玉三郎の2役に、亡き宗十郎の宗貞(ゾロっとした柔らか物の着流しが似合う、こうしたニンはもう出まい......)という好配役だった。

その前の平成元年3月歌舞伎座で、雀右衛門の小町に歌右衛門の墨染。昭和58年11月同座で、歌右衛門の2役に先代松緑の關兵衞、先代勘三郎の宗貞は、もっと記憶が鮮明である。
この2つの上演に接して以来、〈關扉〉は私の最も愛する歌舞伎演目となった。

上下を通せば、技巧の点からも格調の点からも、〈關扉〉ほど難しい歌舞伎舞踊はない。
常磐津払底の折から、先月の浅草・平成中村座に続いて目にできるのも貴重な機会。
今回は一巴太夫の出勤でもあり、芝居道の今後のためにも、都合のつく方は是非ご覧になっておくとよいのではないかと思う。

2012年1月 3日 | 記事URL

このページの先頭へ

©Murakami Tatau All Rights Reserved.