2012/2/11 Weisswein Gespritzt | 好雪録

2012/2/11 Weisswein Gespritzt

〈ラ・カージュ・オ・フォール〉はサントラ盤を聴き込んで、今やどの楽曲も隅から隅まで覚え抜いている。
今日も頭の中でその内そこここを繰り返しながら電車に乗ったら、まるで呼び寄せたかのように、大市村の顔半分大写しの吊広告が。
新発売「KIRINのワインスプリッツァ・白」の広告だった。

Spritzerとは、簡単に言えば「白葡萄酒のソーダ割り」である。
ある意味で勿体ない飲み方なので、高級酒には決して試みない。

これ、私の好物である。

飲み覚えたのはヴィーン。
この街は、ヨーロッパの大都市の中では異例なことに、トラムで2~30分も走れば、近郊の山々に葡萄畑が広がる。生産されるWeisswein=白葡萄酒は、殆どが「地酒」としてヴィーン市内で消費され、外部に売り広められる余剰はさほどない。美事な地産地消。

ヴィーンの白葡萄酒は、総体に軽く、切れの良い風味。値段も手ごろ。
これを炭酸水と半々に割ったものを、当地ではWeisswein Gespritztと称する。
アルコール度数は半減、口当たりも爽やかなので、特に夏季、当地の人は頻繁にこれを口にしているし、私も在維中かなり気楽に愛好する。どのカフェにも通年メニューに上がっている。

ただ、炭酸水で割るというのは、先に述べたように、高級な酒に施す処置ではない。
缶入りスプリッツァー。最近流行りのハイボールと同じただの割りモノだから、製造原価は廉かろう。ワインに人気が集まる昨今でも「スプリッツァー」を知らぬ人は多かった。暖かになる春にかけて、これは売れるかもしれない。

KIRINさん、良いお商売を見つけました。

2012年2月11日 | 記事URL

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