2012/3/2 新演出〈戀重荷〉再演 | 好雪録

2012/3/2 新演出〈戀重荷〉再演

一昨年に大阪・大槻能楽堂で初演した新演出版の〈戀重荷〉が、3月3日(土)午後1時から東京・観世能楽堂での東京清韻会別会で再演される。
本日、その申し合わせに臨席して確認した。なかなか期待できそうだ。

「新演出」とは言っても、目新しさを狙ったものではない。
能に既存の方法を無理なく用いて、現行の常の型では消し去られた「重荷」をめぐる因果応報のドラマを視覚化したものである。
詳細は初演時の『能楽タイムズ』にも報告した。今回もほとんどそれを踏襲している。

今回はシテ・大槻文藏氏、ツレ・赤松禎英氏のほかは東京の能役者を中心とした配役で、みな第一級の人たちだからまことに安心。
申し合わせで見ても、まことに引き締まった舞台だった。

ことさらな省略はないが、濃密な内容を引き立たせるため全曲1時間以内に収まるように編集してある。新作でも復曲でも、作者・編者の意を加えると上演時間が拡大する傾向があるが、私はそれをはなはだ好まない。
むろん、長時間を必要とする必然を伴えば良いだろうし、実際の時間より体感時間のほうが大切なのだが、何にせよ単純に足し算的に長大化することには問題があると思う。

そんな意味で、まずは皆さんにご覧頂きたいと思います。

2012年3月 2日 | 記事URL

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