2012/5/6 無事帰朝 | 好雪録

2012/5/6 無事帰朝

11時間のフライトを経て朝7時半に成田着。帰宅は10時半で、「あー、成田は遠くて不便」と改めて思わされた次第である。

ヴィーンには予定どおり4泊、毎日1つの出し物を見たが、予定外の変更もあった。

初日は午後5時に宿に着いた。
30分後にシュターツオパーでフランス語原典版の長い長い〈ドン・カルロス〉が始まる。

空路の都合では間に合わないだろうと諦めてはいたものの、なにしろ最も好きなオペラの最も長大な(当然わが国での上演はまず期待できない)版での上演だから、間に合う以上、これを見なくては沽券に関わる。
大急ぎで身なりを整え(オペラへは上着にネクタイで行かねばなりません)、ケルントナー通りを10分ほど速足で歩いてダメモトで当日券売場に駆け付けたところ、たまたま1枚だけ、日本流に言う2階の東、舞台に最も近いボックスの最前列が売れ残っていた。
迷わず買い求め(115ユーロ。呆れるほど廉い)、桟敷に坐って落ち着いた頃おもむろに場内の照明が落ちるというグッドタイミング。オケピットと指揮ぶりが良く見え、舞台も上手が少しばかり見切れるくらいで手に取るが如く、音も良く、見たオペラ3本の内では最も印象の強い出来ばえで満足。

また、3日目は同歌劇場で〈セヴィリャの理髪師〉を聴くはずだったが、当地に着いて知ったのは、ミュージカル専門のライムント劇場で"Ich war noch niemals in New York"を上演中だということ。
これは昨秋の帝劇で〈ニューヨークに行きたい!!〉という意図的誤訳題を冠して上演されたもので(直訳すれば「私はまだニューヨークに行ったことがない⇒私はこれまで真の自由を獲得したことがない」という意味)、ハンブルクの初演後、ヴィーンで大盛況の人気だとは聞いていた。これを現地で実見した日本人は恐らくかなり稀少であろう。
急遽予定を変更するつもりで前日に劇場に赴くと、これまた運よく1階最前列の中央が1席空いていて迷わず購入(これまた廉価89ユーロ)。結果的にすばらしい感動を得た。
場内にただ一人、間違って迷い込んだような東洋人が、2幕目の"Griechischer Wein"に聴き入りながらポロポロ涙を零しているのを、隣席のヴィーン人は不思議そうにチラチラ見ていたものである。

というわけで、今後、旅行記は随時上網の予定であります。お気長にお待ち下さいまし。

2012年5月 6日 | 記事URL

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