私事で恐縮ながら、本日は祖母の祥当。
千駄ヶ谷で狂言と能を見たあと、夕刻に誦経を願ってあった菩提所の鎌倉へ。
時刻も時刻、しかも雨天とて、観光客の姿はほとんど見ない。
本日から梅雨に入り、境内から見遙かす谷戸の山々がいやがうえにも霞む中、
テッペンカケタカとホーホケキョとがあちこちから入り混じって聴こえる。
杜鵑は鶯の巣に託卵するから、両者は同じようなところに住むのだ。
最近あまりに世俗の雑事に携わり過ぎ、正直、生活感覚が麻痺しかけていたところ、気の置けない和尚とゆるゆる閑話の間に鳥の遠音と雨音に耳を傾け、やっと人心地がついた。
こうした日は何となく、拾いものをしたように得をした気持ちになる。
2012年6月 9日 | 記事URL