ヤレヤレ、という感じで本日、大学の前期講義が終了。
もう10日も経たぬうちに立秋と思うと、時の流れのあまりの速さにゲンナリする。
大学のある山で、今年はホトトギスの声はわずかしか聴かなかった。
今日の宵、はじめてヒグラシの声を聞いた。
私はこのヒグラシが大好きである。
23区内の市街地では蝉そのものが減っているうえ、ヒグラシとなるとまず聴くことはできない。拙宅の近所、むかし区画の広い古い家がそこそこあった頃は珍しい声ではなかったけれど、相続の関係で売り払われ五ツも十も分割して小家が建つと、とたんにダメになった。
山里では違うかもしれないが、東京ではヒグラシの声を聞くと夏の峠は越えたことになる。シミジミするのもゆえなきことではない。
2012年7月31日 | 記事URL
今日は明治天皇の祥月命日。つまり、明治時代が終わって今日でちょうど100年、ということである。
皇居・皇霊殿と伏見桃山陵とで「明治天皇百年式年祭の儀」が執り行われたわけだが、「ゼニになる」オリンピック開催期間とて、報道面で目立った扱いはほとんどない。別にオリンピックが好きでないから言うわけではないけれども、やはり、日本のマスコミが力を入れるべきなのは、オリンピックよりは明治天皇、明治天皇よりは原発、だろうと私は思う。
2012年7月30日 | 記事URL
タクシーに乗るとたまに、サッカーや高校野球というものは誰でも好きだろうと思い込んでいる運転手にぶつかることがあって、こうした時ほど挨拶に困ることはない。
だって、サッカーや高校野球なんて根っから知らないし、むしろキライなんです。
つまり、スポーツは全然しないし、興味がないから見もしない。
当然、オリンッピックにも関心ゼロのわたくしである。
2012年7月29日 | 記事URL
今日も酷暑。
ひさしぶりに何もない籠居の日なので、午前中は腑抜け放心。昼食に素麺を頂き、京都・亀廣永の寒天棹物「したたり」を菓子に薄茶2服。午後は片づけものに精を出します。
昨日の帝国劇場。
25分の幕間にロビーに出たら、来年新制作が予定されている「レ・ミゼラブル」予告映像が映されている。もっとも、配役はオーディションによって銓衡されるので現時点で未定ゆえ、海外版のビデオである。
私が通りかかった時はたまたま第2幕の「最後の戦い」、アンジョルラス最期の段であって、連帯歌"Red and Black"が流れる中、革命の志も半ばに学生たちは次々と政府軍の銃弾に斃れる。
私はこの場面、ダメである。
濛々たる硝煙のバリケード、殷々たる銃声のうち、高らかに響きわたるこのメロディーの一節をスピーカーから聴いただけで、たちまち涙腺がゆるみ、目の前が霞んできた。
2012年7月28日 | 記事URL
今日も暑い中、帝国劇場で上演中のミュージカル〈ルドルフ~ザ・ラスト・キス〉を観劇。
初見の演目だが、フランク・ワイルドホーン作曲の音楽も良く、出演者のレベルも高く、なかなかの出来栄えで満足。
2012年7月27日 | 記事URL
東京も名古屋も、相変わらず秋のように涼しい一日。
批評をとりあえず半分、さきほど上網したように、今日は名古屋能楽堂で稀曲〈藍染川〉を見てきた。なかなか力の入った成果だったのは嬉しい。
2012年7月22日 | 記事URL
昨夕発表されたとおり、古典藝能分野で山本東次郎と坂東玉三郎の2人が今年度新規に「人間国宝」に認定される運びとなった。
女形という特殊な生(セイ)を選択し生き続けた点で間違いなく真実の存在たる玉三郎は、その意味で後進に範を垂れる最後の適任であろう。また、現在75歳という年齢を考えれば10年早く指定されて当然の東次郎は真の意味で古典伝承の最右翼、斯界の誰もに異論はあるまい。
こうして「人間国宝」というものに世間の注目が集まるのは良いことだが、次の点は押さえておくべきだと、私は考える。
文化財保護法の概念によれば、「重要無形文化財保持者(各個指定)」(=通称「人間国宝」)とは「重要無形文化財に指定される芸能を高度に体現できる者」とされる。
だが、現実にこれを検めれば、絶対的に突出した個人が指定されている例もあると同時に、相対的に「何となく」決められたとしか思われない例もある。
つまり、「人間国宝」と決まった人ばかりを至上の価値ともて囃すほど見えにくくなる「人間国宝の実態」もある、ということだ。
2012年7月21日 | 記事URL
このところ密かにずっと、京劇に興味が深い。
といっても、さすがにそこまで観劇のフォローは中々しきれない。
私が実際に接したのも2000年に梅葆玖が演ずる父譲りの〈貴妃醉酒〉の名舞台が最後。機会が許せばさらに蘊奥を極めてみたい気がするけれども、観劇の守備範囲が拡大した現在、物理的にちょっと無理そうなのは残念。
古典京劇は総じて「大時代」の演物だが、たとえば傑作のひとつに〈二進宮〉がある。
2012年7月20日 | 記事URL
先日すでに告知したとおり、先月30日の長崎公演で平幹二朗が演じ納めた〈王女メディア〉の実況録画DVDが完成・発売され、今日、私も実物を送って頂いた。
そのうち大規模書店やレコード店、またアマゾン等でも流通すると思うが、現在のところは平さん関連の事務所「リリック」で取りまとめて販売している。
活動記録の項に連絡先の電話とメールアドレスを記したので、ご参照願いたい。
実にすばらしい、名演です。
このブックレットに拙稿が転載されるのを機に、いささか添削を試みて完成稿とした関係上、これまで当ウェブ批評欄に掲載していた元原稿(2012年4月11日 幹の会+リリック プロデュース公演 平幹二朗〈王女メディア〉)は公開を取り止める。
必要な方はご面倒でも今後は同DVD添付ブックレット掲載の拙評「彷徨するをんなの孤心~平幹二朗の〈王女メディア〉最終公演」をお読み頂きたい。
2012年7月19日 | 記事URL
連載中の茶道誌『孤峰』の今月号に、歌右衛門の〈桐一葉~大坂城奥殿寝所密訴の場〉淀の方に事寄せて百合のはなしを綴ったのだが、このところ、関東ではちょうど山百合が開き始めた。
神奈川県の県花が山百合であり、むかしは野山によく見られ、花容の大々として芳香高く、夏草に秀でて目立っていた。近年は園藝目的の乱獲によって激減している。
2012年7月18日 | 記事URL
関東地方の梅雨が明け、たいへんな暑さ。
3月14日に麻布十番のアトリエ・フォンテーヌで見たミュージカル〈スリル・ミー〉を再見。
先日の再演は田代万里生×新納慎也の本邦初演キャストだったが、天王洲銀河劇場に場を移した今回の三演は、初演組に加え韓国人キャスト1組を加えた計4組のローテーションである。あらすじその他は、先日の稿をご参照願いたい。
今宵は良知×小西コンビによる2回目の公演に当たる。正直、残念な出来、というところ。
2012年7月17日 | 記事URL
今日は金春流若手の「座・SQUARE第15回公演」を見たあと、午後5時前だったので一人ゆっくりとお食事。
新宿駅東口改札を出て左に徒歩15秒。「ベルク」という名店がある。
2012年7月16日 | 記事URL
なかなか梅雨が明けずに困ります。
昨夜の銕仙会の批評を上網しました。ああした〈浮舟〉見ると、蒸し暑さをしばし忘れます。
昨日は東京では盂蘭盆のお迎え火で、魂棚にはお精霊がご来臨。
そう言えば、今日はフランス革命記念日。
「パリ」だ「革命」だと聞いて「パリ祭」のシャンソン競演を思うか、(背景の時代は違うが)「僕はマリウス・ポンメルシー」と「心は愛に溢れて"A Heart Full of Love"」を歌う泉見洋平の夢見る声を思うかで、属する世代がきっと分かれるでしょう。
これから歌舞伎と能で大阪まで。
祇園祭もちょっと覗いてくるつもりです。
2012年7月14日 | 記事URL
先日、プレ・ヴュー初日を見てガッカリしたミュージカル〈ミス・サイゴン〉。
本日、めぐろパーシモン・ホールでの千穐楽を再見。
いやー、面目一新、君子豹変と言うべき名舞台でした。
先日は条件の悪い席、今日もさほど良席で見たわけではないが、舞台の成果は段違い。およそミュージカルに、音楽と劇の相関に、ちょっとでも興味ある向きは必見の出来ばえと推奨したい。
まだ、全国ツァーは始まったばかり。来年1月までの巡業ロングランである。
2012年7月 8日 | 記事URL