2013/1/1 新年ごあいさつ | 好雪録

2013/1/1 新年ごあいさつ

平成24年癸巳の御慶を申し上げます。
もっとも旧暦ではまだ11月20日。旧正月はだいぶん遅く、新暦2月10日になる勘定です。

昨年は意図して日本のミュージカルを集中的に見ることに努め、舞台の感覚を養ったのみならず、色々な関係者の談話も聞けて幸運でした。
観客が閉じられがちな分、凝り性のリピーターが多いのがミュージカルの特徴で、そこにはさまざまな示唆があるように思われます。
クロード・ミシェル・シェーンベルクの二大傑作〈ミス・サイゴン〉と〈レ・ミゼラブル〉が昨年と今年と連続長期公演されるのも好機。このことについてはまた論じてみたいと思います。

能の復曲については昨年の年頭に予告済み、既に「活動記録」にも挙げてありますとおり。
1月12日の横浜能楽堂〈巴園〉、2月23日の大槻能楽堂〈樒天狗〉、いずれの演出も新案。記録が乏しいためほとんど一からの創造です。
独力で復曲演出を試みるのはこれで7曲。稀少で貴重な経験を多く積ませて頂きました。
今回もどうなりますか。高覧頂けましたら幸いです。

カルチャースクール等での公開講座や公演に際しての解説講話の類も色々ある中、まだ発表はできないながら、4月と夏には舞台人との公開対談をする予定です。他ジャンルの企画立案なども控えており、いささか「古典劇評論」の枠に収まらない活動でも無理のない限り進めてゆきたいと思っています。

社会状況はますます混迷の度を加えて、つい歳末に見た〈組曲虐殺〉の名舞台が「ただのお芝居」に思われませんでした。
とはいえ、ジャンルを問わず、どんなステキな出逢いが待っているか。
やはり今から楽しみでなりません。

本年もよろしくお願い申し上げます。

2013年1月 1日 | 記事URL

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