1・〈鶊山姫捨松〉中将姫雪責の段
前:千歳大夫・清介/切:嶋大夫・燕三(清友休演) 胡弓:龍爾
/中将姫:文雀/岩根御前:玉也/廣嗣:勘緑/豊成:勘壽/浮舟:清五郎/桐の谷:簑二郎
2・〈傾城恋飛脚〉新口村の段
口:靖大夫・寛太郎/前:呂勢大夫・清治/切:綱大夫・清二郎
/梅川:紋壽/忠兵衛:和生/孫右衛門:玉女/忠三女房:一輔/八右衛門:紋秀
文楽のレベルが極めて落ちているのが憂慮に堪えない。
津大夫、越路大夫の在世中はまだしも、〈九段目〉〈道明寺〉を満足に出せない現在、はたして何をもって藝の規範となせばよいのか。
住大夫を名人視する一部の風潮に、私は賛成しない。
少なくともそういうことは、「住大夫が越路大夫をどの点で超えたか」という説明が論理的になされ得ない限り、言うべきではない。
二代目團平、初代玉造のことは考慮に入れながら、それでもやはり、摂津大掾、山城少掾はおろかそれ以前から、文楽の軸は浄瑠璃であり、その藝の基準は厳然たるものである。藝人一個人の個性など、大抵の場合吹けば飛ぶようなものであることは、たとえば其日庵秋霜烈日の言説を引くまでもない。
山城以後の文楽の藝評は、四代目津大夫と四代目越路大夫の総括を試み尽くしてから、なされるべきである。現在の文楽を取り巻く「ある種の活況」は、これらつい近過去の先人たちをあたかも無視するが如き浮説に基づくもののように、私は考える。
平成23年1月22日(土)午後2時 大槻能楽堂
◆能〈木曾 願書・恐之舞〉 シテ:山本順之/ツレ(木曾):上野朝義/ツレ(池田):生一知哉
/ツレ(郎等):長山耕三・武富康之・山田薫・上田宜照・水田雄晤/地頭:大槻文蔵
/笛:野口亮/小鼓:久田舜一郎/大鼓:上野義雄
◆能〈巴〉 シテ:多久島利之/ワキ:福王知登/ワキツレ:是川正彦・喜多雅人
/アイ:茂山良暢/地頭:阿部信之/笛:貞光義明/小鼓:吉阪一郎/大鼓:守家由訓
「平家物語を観る」と題する連続公演の一環。大槻能楽堂の好企画で評判も良いらしい。能に先立って井沢元彦氏の講演があった。
平成23年1月21日(金) 午後6時半 国立能楽堂
◆狂言〈寶の槌〉 シテ:大藏彌太郎/アド(主):大藏基誠/アド(売り手):大藏千太郎(善竹十郎休演)
◆狂言〈栗焼〉 シテ:山本東次郎/アド:茂山良暢
◆素囃子〈大ベシ〉 笛:栗林祐輔/小鼓:田邊恭輔/大鼓:大倉慶乃助/太鼓:德田宗久
◆狂言〈鬼丸〉 シテ:石田幸雄/アド(僧・観音):野村萬齋/小アド(父):野村万作/地頭:深田博治
/笛:栗林祐輔/小鼓:田邊恭輔/大鼓:大倉慶乃助/太鼓:德田宗久
〈寶の槌〉シテの彌太郎は、いつものことながら声が詰まり気味で気の毒。明快さ第一の脇狂言ゆえその欠点はなおさらである。基誠は舞台に座して控えている時に眼を閉じている。それはまだしも、気まで抜けているのは要注意。なにせ、脇狂言である。徹頭徹尾、祝言の「気」が張り詰めていないでどうなるものでもない。
平成23年1月16日(日)午後2時 国立劇場小劇場
◆箏組曲秘曲〈八重垣〉 箏:今井勉
◆紀の路の奥〈四季の段〉 箏:萩岡松韻・鈴木厚一/三絃:鳥居名美野/笛:中川善雄
◆〈櫻川〉 三絃替手:米川敏子/三絃本手:藤井泰和
◆〈笑顔〉 三絃:富山清琴・富山清仁
◆〈松廼羽衣〉 箏:山勢松韻・岸辺美千賀/三絃:山登松和
◆〈新青柳〉 箏:野坂操壽/三絃:矢崎明子/尺八:山本邦山
毎年正月の恒例である。
ただしメンバーも固定、さして新味もない。国立劇場の企画力の限界か。
1・〈壇浦兜軍記〉阿古屋 ★☆☆☆☆
2・〈女伊達〉 ★☆☆☆☆
前売と同時に全席完売、初日前日の元日公演さえ追加された大盛況。
今年61歳とは思われぬ玉三郎の美しさは驚異的だ。
いまや屈指の当たり役とされる遊君阿古屋に扮する玉三郎。自信に溢れ余裕綽々、長身の姿態と甘味を含む声を駆使して観客の耳目に訴えるさま。時代を代表するスターのみが誇り得る、上なき艶容である。
エレベーターの扉が開き3階劇場入口に降り立つと、正面に玉三郎女形口上姿の大写真。盛大なカーテンコールで幕を閉じるこの公演は、「坂東玉三郎ルテアトル銀座リサイタル」なのだ。
この公演を、この〈阿古屋琴責〉を、どう評価するか。
たとえば、越路吹雪版=岩谷時子版〈愛の讃歌〉とは別の立場に立つ美輪明宏のような考えはあるにもせよ、越路の歌うそれが、「エディット・ピアフの歌うそれと色々な意味で違う」という批評をもはや超越し、日本歌謡史上の絶対価値として屹立することは、誰しも認めるだろう。私は越路の〈愛の讃歌〉を、さらにはまた(実際に聴いた)淡谷のり子の〈愛の讃歌〉を、シャンソン原曲との異同を越えて、偉大な一代藝として心から畏敬する。これと等しく、今回の〈琴責〉を「坂東玉三郎ルテアトル銀座リサイタル2011」中の演目として見れば、これはもう、文句なしに★5つであろう。
平成23年1月13日(木)午後6時45分 寶生能樂堂
◆狂言〈文山賊〉 シテ:石田幸雄/アド:深田博治
◆素囃子〈神舞〉 笛:藤田貴泰/小鼓:森澤勇司/大鼓:大倉慶乃助/太鼓:大川典良
◆狂言〈麻生〉シテ:野村万作/アド:野村萬齋/小アド(源六):深田博治/小アド(烏帽子屋):竹山悠樹
/笛:藤田貴泰/小鼓:森澤勇司/大鼓:大倉慶乃助/太鼓:大川典良
白い花が供えられた亡き万之介の遺影を祀るロビーである。
勤務の都合で後半から観覧。はじめの〈筑紫奥〉と〈伯母ヶ酒〉は見られなっかたが 後者は末尾だけ覗く。シテ・野村遼太が伸び伸びと演じていて好感が持てた。大酒の酔態を勤めるにはいささか年齢不相応なのも、狂言ならではのご愛嬌である。
平成23年1月10日(月・祝)午後1時半 寶生能樂堂
◆〈翁〉 翁:觀世銕之丞/千歳:片山九郎右衛門/三番叟:野村萬齋/面箱:野村遼太
◆能〈嵐山 白頭〉 シテ:柴田稔/前ツレ:安藤貴康/後ツレ(子守) :馬野正基/ 後ツレ(勝手):浅見慈一
/ワキ:大日方寛 /ワキツレ:梅村昌功・野口琢弘/アイ:竹山悠樹
/笛 :一噌隆之/小鼓頭取:幸正昭/脇鼓:後藤嘉津幸・福井聡介/大鼓:柿原崇志/太鼓:助川治
/地頭:山本順之
◆狂言〈筑紫奥〉 シテ: 野村万作/アド(筑紫):深田博治/小アド(丹波):石田幸雄
◆能〈小鍛冶〉 シテ:觀世淳夫/ワキ:寶生欣哉/ワキツレ:野口能弘/アイ:高野和憲
/笛:藤田次郎/小鼓:鵜澤洋太郎/大鼓:龜井廣忠/太鼓:金春國和/地頭:觀世銕之丞
毎年吉例の銕之丞の翁に、九郎右衛門お披露目の意味も籠めて千歳を付き合う。
萬斎の〈三番叟〉がひときわ熱演である。
平成23年1月9日(日)午前10時半 京都觀世会館
◆〈翁〉 翁:観世清和/千歳:宮本茂樹/三番三:茂山良暢/面箱:島田洋海
◆能〈老松〉 シテ:片山清司改メ片山九郎右衛門/ツレ:河村博重
/ワキ:福王茂十郎/ワキツレ:廣谷和夫・森本幸治/アイ:茂山千三郎
/笛:森田保美/小鼓頭取:林吉兵衛/脇鼓:林大輝・林大和/大鼓:河村大/太鼓:小寺佐七
/地頭:井上裕久
◆狂言〈佐渡狐〉 シテ(佐渡):茂山七五三/アド(奏者):茂山千五郎/アド(越後):茂山あきら
◆能〈羽衣 彩色之傳〉 シテ:杉浦豐彦/ワキ:福王和幸/ワキツレ:永留浩史・中村宜成
/笛:杉市和/小鼓:曾和博朗/大鼓:石井保彦(石井喜彦休演)/太鼓:前川光長/地頭:林喜右衛門
◆能〈岩船〉 シテ:河村和貴/ワキ:小林努/ワキツレ:有松遼一・岡充
/笛:左鴻泰弘/小鼓:伊吹吉博/大鼓:井林久登/太鼓:井上敬介/地頭:味方玄
最初に強く述べておきたいのは、「翁付脇能の開曲に音取置鼓を奏せず、礼ワキの所作を欠くのは非法である」という大原則である。この日の〈老松〉は、その「非法」に拠った。
いささか事情を察しもするが、やはり、舞台に接するに理想をもってしなければ、批評者としては藝能の真価に対して申し訳が立たない。
これについては専門的な知識が前提となるので、翁付脇能とその意義について、ひとこと述べることにしたい。以下の記述の多くは、能をよく知る人にとって不要の贅言であろうから、適宜、お読み飛ばしを願う。
平成23年1月8日(土)午後1時 梅若能樂學院會館
◆〈翁 弓矢立合〉 翁:梅若玄祥・梅若長左衛門・梅若紀彰
/千歳:山崎友正/三番三:山本則孝/面箱:山本凛太郎
◆能〈鶴龜〉 シテ:梅若玄祥/ツレ(鶴) :梅若紀彰/ツレ(龜): 梅若長左衛門
/ワキ:森常好/ワキツレ:舘田善博・森常太郎/アイ:山本則秀
笛:一噌隆之/小鼓頭取:曾和正博/脇鼓:曾和伊喜夫・曾和尚靖/大鼓:龜井廣忠/太鼓:小寺眞佐人/地頭:松山隆雄
◆狂言〈舟船〉 太郎冠者:山本則秀/主:山本則孝
◆能〈野守〉 シテ:川口晃平/ワキ:高井松男/アイ:山本凛太郎
/笛:槻宅聡/小鼓:觀世新九郎/大鼓:安福光雄/太鼓:梶谷英樹/地頭:山崎正道
旧臘に追善を兼ねた舞囃子の会で披露目があった梅若紀彰と梅若長左衛門の襲名を、三人翁と脇能(脇狂言は省略)で本格的に公示という趣向である。
1・〈三人吉三巴白浪〉★☆☆☆☆
2・猿翁十種の内〈獨樂〉★★☆☆☆
今回の〈三人吉三〉の場割は、序幕・大川端庚申塚の場/二幕目・巣鴨吉祥院本堂の場/裏手墓地の場/元の本堂の場/大詰・本郷火の見櫓の場、というわけで、土左衛門傳吉の件を省いたかたち。当然、見ても筋が分からない。序幕の後、舞台番の役者が出て説明するが、それでも要領を得ないのは致し方ない。
もっとも、新春浅草歌舞伎は短時間で手軽な歌舞伎入門の性格を持つ興行だから、「これでは演劇性の破壊だ」などと野暮なことを言う必要はない。〈辨天小僧〉で濱松屋と勢揃だけを出すのだって似たようなものだ。いわば、今回のヴァージョンを許容する現代では、それだけこの演目が解体され、批評されている、ということである。
1・〈御攝勸進帳〉加賀國安宅の關の場 ★★★☆☆
2・〈妹背山婦女庭訓〉三笠山御殿 ★★★★☆
3・〈壽曾我對面〉★★★☆☆
鱶七上使と姫戻の付いた完全版〈妹背山四段目〉が近来の見もの。今後これを上越す〈金殿〉はなかなか見られまい。
義太夫狂言に、型物に、ご興味の向きは是非一見の上、それぞれの思いを巡らされたい。これを肯定するにせよ否定するにせよ、一考の価値が確かにある。
平成23年1月4日(火)午後2時 大槻能楽堂
◆〈翁〉 翁:友枝昭世/三番三:山本東次郎/千歳:山本則秀
/笛:藤田六郎兵衛/小鼓頭取:大倉源次郎/脇鼓:清水晧祐・荒木健作/大鼓:山本哲也
/地頭:粟谷能夫
◆狂言〈鐘の音〉 太郎冠者:山本則俊/主:山本則重/仲裁人:山本則秀
◆能〈羽衣 彩色之傳〉 シテ:片山幽雪/ワキ:福王茂十郎/ワキツレ:福王知登・喜多雅人
/笛:杉市和/小鼓:曾和博朗/大鼓:山本孝/太鼓:三島元太郎/地頭:大槻文藏
民俗を感じさせる喜之の〈翁〉に比べ、技藝を見せる友枝の〈翁〉(大夫は喜多通例の熨斗目※小格子厚板ではなく白練の着付)。これは山本家の謹直な好助演の印象によるところ大で、鈴ノ段に掛かるところで小鼓頭取の打ち出しをキチンと聞き納めておいて、三番三と千歳とがクルリ左右に分かれる緊密な呼吸は、茂山家には薬にしたくもない。もっとも、東次郎は鈴ノ段でフラつき老いの影が差した。
※2011/1/9訂正。
〈三井寺〉能力アイを演じさせては当代一の則俊。この美声あっての名鐘である。もっとも、山本家の台本では最初に主が正しく「附け金の値を聞いて来い」と命じているのに、太郎冠者が勝手に「撞き鐘の音を聞く」と誤解してしまう。したがって、最後の反論「附け金なら附け金と、初めから言えば良い」が太郎冠者の言い掛かりに聞こえる欠点がある。改訂できないものだろうか。
幽雪の〈羽衣〉は昨年の〈定家〉に続く好演。序ノ舞の最初で高めに左右する型の美しさなど、基本的な所作に晴れやかな張りがあって、しかも余計な芝居をしない生一本の舞台である。天冠に櫻を立てたのは、泣増を着けても温かみのあるこの人らしい。もっとも、この曲の仏教的寓意からすれば、やはり白蓮が至当だろう。流水に花々を縫い取った華麗な紅地腰巻、薄色で枝垂櫻をあしらった白地長絹が美しい。大槻文藏が地頭を勤めた明朗な地謡共々、万事に麗かな晴天を仰ぐようなめでたい〈羽衣〉である。
平成23年1月3日(月)午後2時 大槻能楽堂
◆〈翁〉 翁:観世喜之/千歳:井内政徳/三番三:茂山七五三/面箱:茂山逸平
/笛:赤井啓三/小鼓頭取:荒木賀光/脇鼓:荒木健作・吉阪一郎/大鼓:河村大/地頭:長山禮三郎
◆狂言〈宝の槌〉 果報者:茂山あきら/太郎冠者:茂山童司/すっぱ:丸石やすし
◆能〈唐船 干之掛應答〉 シテ:大槻文藏/ワキ:福王和幸
/子方(唐子):赤松裕一・浦田親良/子方(日本子):寺澤拓海・武富晶太郎
/アイ(太刀持):松本薫/アイ(船頭):茂山千三郎
/笛:藤田六郎兵衛/小鼓:清水晧祐/大鼓:辻芳昭/太鼓:上田悟/地頭:多久島利之
喜之は昨年4月、〈關寺小町〉を勤めた。凡庸な藝風の喜之だが、百歳の小町は良いものだった。この人の歩いてきた道が見える能になっていたし、そうでなければ〈關寺〉など何の意味もない。
藝で評価できない〈翁〉も、そういう目で見なければならない。もっとも、常に温厚平静に思える喜之とはいえ、挙措進退に思いがけぬ果断なキレを示し、無表情の奥処に燃え残る焔を見た気がしたのは面白かった。
休憩を挟んで〈宝の槌〉。表情の味付けと声の大きさを除けば、内実は何もないようなものだが、関西ではこれが常なのだろう。あきらは仕事のない時に身体と表情がすっかり素である。華やぎのある童司、この程度の表現意慾で納まっているのは勿体ない。
〈唐船〉は何よりも文藏の謡の巧さ。もっとも、説明的な表情は付けていない。「牛馬をあつかひ草刈笛の」で内心の屈託を、「九牛が一毛よ」と謡い捨てて秘かな誇りを、それぞれサラリと思いがけず示すのは、よほど謡の力のある証左である。動きの随所に細心の注意があり、儀理能の本道を行く情味に溢れた好演。合掌の手を下に構えて大陸風に拱く(たんだく=胸前で手を合わせ拝む)のも面白い。
日本子(寺澤拓海・武富晶太郎)と掛け合いのロンギは引キなどを教え込むのが難しいが、子方はよく覚えて感心。樂の前の地謡の間に物着。尉髪につけた頭巾状の飾布を取り、髪を後ろに放って小型の透冠を頂き、水衣の上に布縁の裲襠を着、間狂言の船頭から唐団扇を渡されて船中の盤渉樂を舞う。
小書「干之掛應答」は樂のカカリ冒頭1クサリに干ノ手を吹くだけのことである(笛:藤田六郎兵衛)。キリは緩急が付き、グッと締まってから「船には舞の袖の羽風も追風とやならん」で小鼓と太鼓がナガシを打ったのが効果的。
1・〈壺坂靈驗記〉 ☆☆☆☆☆
2・〈黒手組曲輪達引〉忍岡道行より三浦屋裏手水入まで ★★☆☆☆
正月吉例の浅草歌舞伎。例年出勤の勘太郎は不参加だが、1部2部ともに大入の盛況は心強いことである。
1・〈壽式三番叟〉 ★★☆☆☆
2・〈源平布引瀧〉實盛物語 ★★★☆☆
3・〈浮世柄比翼稻妻〉淺草鳥越山三浪宅の場/吉原仲之町の場 ★★☆☆☆
本来ならば昼の部の冒頭に置かれるべき〈三番叟〉。富十郎初日から休演のため、翁は予定の二人立ちから梅玉の一人立ちとなった。
その富十郎を慮った演出、全員が大ゼリでセリ上がり大夫の一礼なく始まる(翁ノ舞済んで一礼はある)変則である。