批評

2011年8月アーカイブ

2011/8/16 新橋演舞場 8月花形歌舞伎 第1部

1・作・演出:北條秀司/演出:大場正昭 〈花魁草〉 ★★☆☆☆
2・〈伊達娘戀緋鹿子〉櫓のお七 ★★☆☆☆

今年の夏芝居は、第2部に初演の新作を据え、第1部と第3部も新作物(〈乳房榎〉も広義の新作)中心。純然たる古典物は〈櫓のお七〉だけだが、これは如何なものか。
短い舞踊でもよい。ともかく、しっかりとした古典物を各部に1つは置かないと、若手役者のためにはなるまい。

続きを読む

2011年8月17日 | 歌舞伎批評 | 記事URL

2011/8/6 新橋演舞場 8月花形歌舞伎 第3部

1・田中青滋作/二世西川鯉三郎振付 〈宿の月〉 ☆☆☆☆☆
2・〈怪談乳房榎〉中村勘太郎四役早替りにて相勤め申し候 ★★★★☆
序幕:隅田堤の場
二幕目:柳島菱川重信宅の場/高田の料亭花屋二階の場/落合村田島橋の場/高田南蔵院本堂の場
三幕目:菱川重信宅の場  大詰:角筈十二社大瀧の場/圓朝高座の場

とりあえず初日の第3部のみ見た。
勘太郎がしばしば父と見まがい、聞きまがうほどの勘三郎写しで大熱演。身体を張れば相応の効果が出る演目とて、夏の勉強芝居としてはまず充分の出来ばえである。

続きを読む

2011年8月 7日 | 歌舞伎批評 | 記事URL

2011/4/15 新橋演舞場 4月大歌舞伎 昼の部

1・川口松太郎作〈お江戸みやげ〉 ★★☆☆☆
2・〈一條大蔵譚〉檜垣・奥殿 ★★☆☆☆
3・玩辞樓十二曲の内〈封印切〉 ★★★★☆

予想外の山城屋の好演。
これほどの忠兵衞。この後ちょっと見られないだろう。

続きを読む

2011年8月 4日 | 歌舞伎批評 | 記事URL

2011/3/7 新橋演舞場 3月大歌舞伎 夜の部

1・北條秀司作〈浮舟〉 ★☆☆☆☆
  第一幕:二条院の庭苑/第二幕:宇治の山荘/第三幕・二条院の庭苑/
  第四幕:宇治の山荘・浮舟の寝所/第五幕:宇治の山荘・宇治川のほとり
2・〈水天宮利生深川〉 ★★☆☆☆
3・六世中村歌右衞門十年祭追善狂言〈吉原雀〉 ★★★☆☆

1953年、当時の吉右衞門劇壇の委嘱によって書き下ろされた〈浮舟〉は、タイトルロールが歌右衞門とて、十年祭の故人にゆかりがある。が、歌右衞門の浮舟や、薫を演じた白鸚の幸四郎は適役だったにせよ、戯曲そのものは先代勘三郎の匂宮で持っていたものと思う。
今回、匂宮を演じた吉右衞門が、それをどれだけ受け継いだか。
残念ながら、ほとんど無意味だったのではなかろうか。

続きを読む

2011年8月 3日 | 歌舞伎批評 | 記事URL

2011/3/14 新橋演舞場 3月大歌舞伎 昼の部

1・菊池寛原作〈恩讐の彼方に〉 ★★☆☆☆
2・六世中村歌右衞門十年祭追善狂言〈伽羅先代萩〉御殿・床下 ★★☆☆☆
3・〈曾我綉侠御所染〉 ★★☆☆☆

本来ならば興行そのものが追善として打たれるべき、大成駒の十年祭。故人が身に替え思い深かった歌舞伎座は改築閉場中とて、昼夜各一本の追善狂言に絞り、控櫓で遺業を偲ぶ趣向。基本的に旧吉右衞門劇団系の座組である。

続きを読む

2011年8月 2日 | 歌舞伎批評 | 記事URL

このページの先頭へ

©Murakami Tatau All Rights Reserved.