断続的ながら平成23年の1ヶ年を経、本日の大晦日を迎えました。
ご多用の中ご覧頂き、御礼申し上げます。
3月11日の大震災は諸方面に甚大なる影響を与え、今に至っています。
未だ遅々として進まぬ復興という大問題があるにもせよ、地震とそれに伴う自然災害は、起こった当座がそれ自体のピークです。
が、福島原発の事故はそうでは済まない。
現在も、未来も、永く永く続く恐ろしい問題であります。
日本人の習性として、われわれが何とはなしに「臭いものには蓋」を決め込みがちであるのに対し、その認識が正しいか否かは措くとしても、多くの外国人は日本全体を依然として「忌むべき汚染国」と見なしている現状に目を向けねばなりません。
私の大嫌いな言葉ですが、「想定外」などという愚にもつかぬ語を、責任ある立場の者は決して使うべきではありません。
「想定外」のことをすべて受け止め、「想定外」などと無責任に言いなす暇があったら実地に機敏かつ的確に対処するのが、そうした者のなすべき仕事でしょう。
ましてや、原子力発電所の設置・設計という国家の一大事に「想定外」のことなどあってはならぬはずです。
こうした問題の責任所在が根本的に問われず現在に至っている現実を、われわれはどのよう考えればよいのでしょうか。
私が普段、テレビや新聞に深く接しないのは、一言で言えば、「腹が立つから」です。
取るに足らぬ片言隻句を「事あれかし」の態度で針小棒大に報道し、無用の混乱を生ぜしむる半面、肝腎の一大事については一向に働かないのがマスコミの性(サガ)だとしたら、それは何と虚しいことでしょう。
私は、舞台を見ることは感動的な夢を見ることだとは考えていません。
舞台を見ることは、目の前の現実をしかと見据えることだと考えています。
来年は如何なる現実に立脚した、芯の強い好舞台に出会えるか。
それを楽しみに念じ、新年を迎えたいと思っています。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
2011年12月31日 | 記事URL