2012/3/15 能作の源としての〈阿古屋松〉 | 好雪録

2012/3/15 能作の源としての〈阿古屋松〉

朝日カルチャーセンター新宿校の定期講座で〈阿古屋松〉を味読。

作品としては幾多の問題を抱えたこの曲だが、名木に案内する展開で〈遊行柳〉を、修辞の点で〈高砂〉を、舞事の挿入と末尾の構成で〈西行櫻〉を、賀茂社臨時祭の舞の趣向で〈實方〉を、それぞれ生み出す源となっていることがわかる。

〈遊行柳〉、〈高砂〉、〈西行櫻〉、〈實方〉、これだけの数の名曲の制作力と直結する能は、ほかにあまりない。
現代人の価値観に勝って、〈阿古屋松〉は世阿弥の思いがかなり横溢した一作なのだろうと思う。

2012年3月15日 | 記事URL

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