批評

2011年9月アーカイブ

2011/9/7 新橋演舞場 9月大歌舞伎 夜の部

1・〈沓手鳥孤城落月〉二の丸亂戰の場/城内山里糒庫の場 ★☆☆☆☆
2・中村歌昇改め三代目中村又五郎・中村種太郎改め四代目中村歌昇 襲名披露口上
3・〈菅原傳授手習鑑〉車引 ★★☆☆☆
4・〈増補雙級巴〉 市川染五郎宙乗にて葛籠抜相勤申候
序幕:大手並木松原の場・洛西壬生村街道の場/二幕目:足利館別館奧御殿の場・同奧庭の場/
大詰:南禪寺山門の場 ★☆☆☆☆

将来有望な親子の襲名はまことにめでたいが、芝居としての内容の薄い夜の部である。

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2011年9月 7日 | 歌舞伎批評 | 記事URL

2011/9/3 大阪新歌舞伎座 9月大歌舞伎 昼の部

2・〈男女道成寺〉 ★★☆☆☆
3・榎戸健治作/山田洋次補綴/落語三遊派宗家監修〈人情噺文七元結〉 ★★☆☆☆

はじめの橋之助主演〈御摂勧進帳〉は正月の新橋演舞場での出し物だが、所用にて不見。
中幕所作事から見たが、はじめに〈文七元結〉のことから書く。

勘三郎が近年用いる山田洋次の補綴版は、大道具にうらぶれた生活感を強く出しているだけではなく、台本に細かな手を加えている(「落語三遊派宗家監修」なる正体不明の怪しげな肩書は不審)。
私は、主に以下の点で誤っていると思う。

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2011年9月 6日 | 歌舞伎批評 | 記事URL

2011/9/2 大阪新歌舞伎座 9月大歌舞伎 夜の部

1・玩辞楼十二曲の内〈雙蝶々曲輪日記~引窓〉 ★★☆☆☆
2・〈申酉〉 ★★☆☆☆
3・〈一本刀土俵入〉 ★★★☆☆

一ヶ月公演としては昨年11月以来、待望の勘三郎初日である。

大病克服の先代以来、舞台復帰の佳例を踏んだ〈申酉〉(古来こうれっきとした通称があるのに、〈お祭り〉とはどうにも趣味を欠いた呼び名ではないか)。感無量の面持ちの橋之助扮する若い者を制するかたちでセリ上がった鳶頭姿の中村屋。

第一印象は、「ああ、これはまだ、本当ではないな」、だった。

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2011年9月 6日 | 歌舞伎批評 | 記事URL

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