2012/4/19 ジャンケンの掛け声 | 好雪録

2012/4/19 ジャンケンの掛け声

本日も表題の如く、駄ネタに近いオハナシで失礼。

拙宅の近所に中学生が群れ集まり、なにやら楽しそうである。
ジャンケンが始まると見え、掛け合う声を聞いていると、冒頭に「オオイガチ」と声を挙げていた。

「オオイガチ」とは「多い勝ち」の意であろう。
多数決で集団的に勝ち負けを決するわけである。

私が子供の頃は、「オオイガチ」とは言わず、確かに「オオイガワ」だった。

実は、「オオイガワ」とは意味不分明である。
「多く出た拳を勝ちと見なす」意味のシャレ言葉であることは確かで、これが〈西行櫻〉に「花は大井川、井堰に雪やかゝるらん」と謳われる京都・嵐山の裾を流れる名所を指すならば風雅極まりない掛け声なのだが、東京の東夷にそんなことは考えられないから、東海道の「越すに越されぬ大井川」を掛けたものに相違ない。

したがって、もとは「オオイガチ」の「オオイガ」を活かして言い換えた替え言葉なのかもしれない。しかし、それにしても、昔より私の周囲で「オオイガチ」と言う者は誰ひとりいなかったから、このあたりの変化の真相は謎である。

わずか30年かそこらの間に、言葉というものは容易に変わるものである。

2012年4月19日 | 記事URL

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