一昨日と異なり、子方ナシの〈隅田川〉である。
随所に大変な熱演を見せた舞台だったが、シテの持ち合わせた特性とシテの採った方法との間に距離と矛盾を痛感した。
観客にとって舞台が「良かった、良くなかった」とは、終点ではなく、始発点である。 そのことを自覚しないと、能を見ることほど自閉に陥りやすい行為はないと、私は思う。
2012年6月 7日 | 記事URL
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