批評

2012年1月アーカイブ

2012/1/6 平成中村座 壽初春大歌舞伎昼の部

2・新古演劇十種の内〈身替座禅〉 ★★★★☆
3・〈雪暮夜入谷畦道〉 ★★☆☆☆

序幕、獅童の忠信、梅枝の静による〈鳥居前〉は所用で不見。
残りの2本、こうした小屋で見るには恰好の出し物で、ことに勘三郎に見どころがある。

続きを読む

2012年1月26日 | 歌舞伎批評 | 記事URL

2012/1/8 平成中村座 壽初春大歌舞伎夜の部

1・〈壽曾我對面〉 ★★★☆☆
2・〈於染久松色讀販〉 ★★★★☆
  序幕:柳島妙見の場・橋本座敷の場・小梅莨屋の場/二幕目:瓦町油屋の場・同座敷の場・裏手土蔵
  の場/大詰:向島道行の場

どちらも中々の見応え。
未見の方は足を運んで決して損はない、オススメである。

続きを読む

2012年1月17日 | 歌舞伎批評 | 記事URL

2012/1/6 ル・テアトル銀座坂東玉三郎初春特別公演

1・お年賀 口上
2・〈妹背山婦女庭訓〉道行恋苧環 ★★☆☆☆
3・同 三笠山御殿 ★★☆☆☆

冒頭の口上は、金屏風の前に玉三郎が控え、15分ほどのおしゃべりを聞かせてくれる。
誠実な、心の籠もった、お客をもてなす温かな口上である。
松竹梅や凧などを淡彩で描いた襖絵も、絵の調子に品があって美しい。

続きを読む

2012年1月11日 | 歌舞伎批評 | 記事URL

2012/1/5 新橋演舞場初春大歌舞伎夜の部

1・歌舞伎十八番の内〈矢の根〉 ★★★★☆
2・五世中村富十郎一周忌追善狂言〈連獅子〉 ★★☆☆☆
3・〈神明恵和合取組〉め組の喧嘩~品川島崎楼より神明末社裏まで ★★☆☆☆

三津五郎の〈矢の根〉がキッカリと気持ちの良い出来ばえだ。
柄も口跡も、派手にパッとしたところはないけれども、見得の一つひとつ、発声の骨法に、「これ」という確信が窺える。

続きを読む

2012年1月 8日 | 歌舞伎批評 | 記事URL

2012/1/4 松竹座壽初春大歌舞伎

1・〈傾城反魂香〉土佐将監閑居の場 ★★☆☆☆
2・〈修禅寺物語〉 ★★☆☆☆
3・〈積戀雪關扉〉逢坂山關所の場 ★★★★☆

ちょっとご祝儀相場の評価だが、〈關扉〉がなかなかの見もの。
総体に充実した昼の部で、見て決して損はない。関西圏の方には是非お勧めしたい。

続きを読む

2012年1月 4日 | 歌舞伎批評 | 記事URL

2012/1/2 新橋演舞場初春大歌舞伎昼の部

1・〈相生獅子〉 ★☆☆☆☆
2・〈祇園祭礼信仰記〉金閣寺 ★★★☆☆
3・〈盲長屋梅加賀鳶〉加賀鳶~本郷木戸前勢揃いより赤門捕物まで ★★☆☆☆

「お寒い」初芝居。

各幕の幕開き前に、客席が水を打ったようにシンとしているのはどうしたことか。
開幕すぐを「塵鎮め」と言うが、客席の塵はとうに鎮まっている。
とはいえ、心地よい期待の緊張を孕んだ静寂では決してない。
歌舞伎芝居に慣れない観客が、みな揃って周囲を窺い、息を潜め身構えているような感じである。


続きを読む

2012年1月 2日 | 歌舞伎批評 | 記事URL

平成23年の能・狂言(1)

平成23年に接した能・狂言の舞台の内、特に優れた舞台を上演月日順に選んでみた。

1) 片山幽雪〈高野物狂〉 4月6日・国立能楽堂定例公演 
2) 關根祥六〈隅田川〉 8月5日・国立能楽堂定例公演 
3) 鹽津哲生〈野宮〉 8月21日・横浜能楽堂特別公演 
4) 近藤乾之助〈高野物狂〉 10月9日・宝生会月並能
5) 山本順之〈姨捨〉 10月22日・山本順之の会特別公演
番外) 観世清和〈關寺小町〉 7月1日・古稀記念龜井忠雄の会

他に、梅若玄祥〈江口〉(2月12日・横浜能楽堂企画公演)、大槻文藏〈定家〉(3月5日・東京清韻会別会)、、梅若万三郎〈夕顔 山之端之出・法味之傳〉(12月11日・梅若研能会)など幾つもが思い浮かぶ中の厳選である。

続きを読む

2012年1月 1日 | 能・狂言批評 | 記事URL

このページの先頭へ

©Murakami Tatau All Rights Reserved.